夫に無断で受精卵を移植して妊娠し出産!裁判に発展した事件の背景とは

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2017年1月6日に放送されたスッキリ!!で「元夫に妻が無断で受精卵を移植、妊娠・出産したことについて裁判を起こしている」というニュースが取り上げられていました。

今までは同意書について疑問に思ったことはありませんでしたが、私が不妊治療をしている病院でも同じような事件が起こりかねないと今回のことで気づきました。

この夫婦双方の言い分や医療現場が直面している問題など、ニュースの概要をまとめて紹介します。

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ニュースの概要

奈良県のクリニックで、凍結保存されていた当時別居中の夫婦の凍結受精卵を、夫の同意を得ずに移植を受け、妊娠・出産した女性(元妻)がいます。

訴えを起こしたのは、奈良県在住の45歳の外国籍の男性。この男性は、生まれた子供との親子関係がないことを確認するため、また、同意文書等をとることなく施術をしたことに対し、病院と元妻を提訴しています。

夫婦の結婚~離婚までの流れ

2004年    結婚

2010年    不妊治療で体外受精を行い、凍結した受精卵を移植
→このときに、夫婦連名で同意書を提出している

2011年    第1子を出産(移植せずに残った受精卵は凍結保存)

2013年    関係悪化のため別居

2014年1月  妻が「もう1人子どもを作りたい」と夫に伝えるも、「別居中だから子どもを作る必要はない」と強く拒絶。

2014年5月  妻がクリニックに残っていた受精卵を移植(複数回)し、妊娠
→このとき、病院は夫婦連名の同意書は要求していない

2015年4月  第2子を出産

2016年10月 離婚

双方の言い分

2014年の秋頃、夫は知人の男性から、別居中の妻が凍結していた受精卵で妊娠していることを聞かされ、事実を問い詰めると妻は「年齢の問題もあるし、2人目を諦められなかった」と言ったそうです。

夫は、今回提訴するに至った経緯として、こう考えています。
「自分と同じような父親が生まれてほしくない」
「そういう経緯を持った子どもを生ませてほしくない」

日本の不妊治療(体外受精)の現状

体外受精とは

体外受精とは、母親の卵巣から卵子を取り出し、体外で精子を受精させ、受精卵を女性の子宮に戻して妊娠させる不妊治療の技術です。

日本国内では、1983年に初めて体外受精により子どもが生まれて以来、年々増加。2014年までに、累計約43万人にまで上っています。

日本産科婦人科学会によると、2014年に国内で体外受精で生まれた子どもは4万7322人。この年の出生数は約100万人なので、およそ21人に1人が体外受精で生まれたことになります。

男性の訴えと、クリニックの主張

今回の訴訟内容

男性は、地方裁判所に「自分の知らないところで受精卵が凍結保存され、子どもが生まれて納得がいかない」と精神的な損害を訴え、クリニックと元妻に2000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。

さらに男性は、第2子との法律上の親子関係が存在しないことを確認するための訴えを家庭裁判所に起こしています。このことについて元妻は、無断で移植したことは認める一方、親子関係の有無は争う姿勢ということです。

クリニック側の主張は…

訴状などによると、クリニック側は第2子の不妊治療に際し、男性に同意確認をする義務を怠ったことを認めています。

夫婦2人の結論として、この病院に来ていると、こちらが勝手に思ってしまったことなので、多少ミステイクかなという気がします。

第1子の体外受精後も、残った受精卵は凍結保存されていましたが、そのことを男性は全く知りませんでした。「凍結保存された受精卵は、期限がきたら更新の意思表示をしない限り破棄する」という契約書がもともとあったので、破棄されたと考えていたそうです。

この背景には、女性が夫に無断で3年間保管するための料金をクリニックに払い続けていたということがあります。そのためクリニック側は、夫婦双方とも第2子を希望していると思い込んでいたということです。

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実際、医療現場ではどのように意思の確認をしているのか

不妊治療の際の同意書とは

受精卵の移植や凍結保存時、夫婦の双方の同意を求める法律はありません。しかし、日本産科婦人科学会では独自に倫理規定を設け、体外受精の際には夫婦の書面による同意を求め、保管すると決められています。

大阪市内で不妊治療を行っている、オーク住吉産婦人科の田口医師は

毎回ご夫婦のサインが入った同意書をとっています。体外受精を希望するとき、凍結するとき、移植するときにも必ず同意書が必要になります。

保管するときに、夫婦の婚姻関係が破たんした場合や、離婚した場合には受精卵を保管せずに破棄しますということを、文章の中に組み込んでいます。

と話しています。

各医療機関によって、同意書の形式は異なりますが、日本産科婦人科学会の了承を得たもので同意書を作成することになっています。しかし、その同意書の確認は、医療機関に任されています。

医療現場で直面している問題も…

これまで1000組以上の不妊治療に携わった富坂医師は

決まりとしては、書面で妻の署名捺印、夫の署名捺印を、採卵・凍結・移植その都度同意書をとることになっています。移植のたびに新たに妻と夫の同意書をもらうということを徹底していれば、今回の事件は防げたかもしれないですね。

と話しています。

同意の確認は夫婦揃ってが原則。しかし、仕事の都合やプライバシーの問題もあり、厳密に確認できていない医療機関も多いのが現状だそうです。

今回の訴訟についてまとめ

男性は、自分の同意がない中で生まれた子どもが法律的にどうなるのか、親権者になるのかについて問いたいと考えています。その根本にあるのは「子どもが不利益を被らないように。今後、同じ思いをする子が生まれないように。」という気持ちだそうです。

菊地弁護士は次のように話しています。

「結婚している間に生まれた子は夫婦の子」となるのが現在の法律。夫婦が別居したり、夫が刑務所に入る等で夫婦関係を結ぶのが困難な場合は例外です。

しかし、今回の場合は生物学上の親子関係は認められてしまう。同意があるかないかも問題だが、望まない妊娠などが世の中にはあるので、同意が親子関係の決定打になるとは限らない。

・妻が第2子を希望して、夫が拒絶したときに、クリニックに凍結受精卵の行方を確認していたかどうか
・第2子の出産から離婚して訴えるまで期間があるので、その間に子どもだと認める行動をとったのか

など、様々な要素を考慮して、裁判所は判断することになるだろうとのことでした。

ちなみに私の通っている病院では、採卵や移植の際の同意書は患者本人(妻)のみの署名捺印欄しかありません。そういうものだと思っていましたが、今回の事件により、同意書のもつ効力や、どこまで厳密に求めるかについて、統一してもらいたいなと思いました。

また、不妊治療で生まれた受精卵はまだ人ではありませんが、体内に戻したあとは命とも成りえる大切なものなので、そこについての法の整備は必要だと強く感じました。

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