2016年の年の瀬、私はインフルエンザA型にかかりました。
その時は採卵を終えて移植前のお休み周期で、カウフマン療法の薬を服用していたため、妊娠の可能性は限りなく低かったのですが、ちょうど生理前1週間の高温期のことでした。
病院を受診した際の問診票の「妊娠の可能性」欄には、今回は悩むことなく【なし】と付けましたが、もし妊娠に気づいていない状態で薬を服用した場合、影響があるのだろうかと気になりました。
目次
インフルエンザの症状と処方される薬
インフルエンザと普通の風邪との違い
一般的に、風邪は様々なウイルスによって起こりますが、普通の風邪の多くは、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳等の症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。
一方、インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。
処方される薬の種類
インフルエンザに対する治療薬としては、下記の抗インフルエンザウイルス薬があります。
- オセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)
- ザナミビル水和物(商品名:リレンザ)
- ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ)
- ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル)
- アマンタジン塩酸塩(商品名:シンメトレル等)(A型にのみ有効)
参考:厚生労働省 平成28年度インフルエンザQ&A
どの薬を使用するかは医師の判断になりますが、カプセル剤のタミフルや、吸入薬のリレンザが有名です。1回の吸入で治療を完結させられるイナビルにも注目が集まっています。
私は、タミフルを5日間分処方されました。
インフルエンザでの高熱や薬服用による影響
高熱による妊娠への影響
高熱での体調不良や栄養不足でホルモンバランスが乱れた場合は、着床しにくい可能性も考えられます。しかし、着床のメカニズムは解明されていないところが多く、「高熱が出たから着床しなかった」とはいえないようです。
しかし、「インフルエンザかも?」という症状が出ている場合、不妊治療で通院している病院に行く予定があったとしても注意が必要です。他の患者に移してしまう可能性があるためです。
直接病院に出かける前に電話で日程変更が可能か確認したり、まずは内科を受診して検査を受けるようにしましょう。また、病院に出かける際にはマスクを着用し、ウイルスの飛散を防ぎましょう。
薬服用による赤ちゃんへの影響
妊娠初期にタミフルを服用した場合の赤ちゃんへの影響について、妊娠と薬情報センターと虎の門病院が調査した結果が発表されています。
タミフルを妊娠初期に服用したのち出産した86人の女性のうち、1人の女性から先天異常の赤ちゃんが生まれましたが、これは通常の発生率と比較して高くありませんでした。一般的にすべての妊娠において、先天異常は約3%の確率で起こると考えられています。
リレンザは吸入で使用され局所で作用するため、母親の血中に移行する量もごくわずかであり、さらに口に残ってしまった分を飲み込んでしまったとしても、それも血中にはほとんど移行しないことがわかっています。 この薬剤を使用したとしても、胎児に重大な影響を及ぼす可能性はないものと考えられます。
参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/h1n1.html
今のところ、インフルエンザの発症によりタミフルやリレンザを服用することが、直接赤ちゃんへ悪影響を及ぼすとは考えられていないようですね。病院や薬局から処方された薬を飲んで問題ありませんが、気になる方は処方後でも電話等で確認すると安心でしょう。
高温期にインフルエンザを発症した場合… まとめ
高温期(妊娠3~4週頃)にインフルエンザを発症し、妊娠に気づかずに薬を服用したとしても特に問題はないと考えてよさそうです。
影響がないとはいえ、受精卵が着床するかどうかの大切な時期に、色々と心配することになるのは避けたいですよね。そのためにも、あらかじめ予防接種を受けることをお勧めします。
インフルエンザの予防接種は、不妊治療中や妊娠中など関係なく、いつでも受けることができます。
私のように予防接種をしたのにも関わらず、感染してしまう場合もありますが、高熱が出ずに済んだり、症状の悪化を防ぐ効果があると言われています。流行する前に予防接種と手洗いやうがいを忘れずに行い、かかる前に予防するようにしたいですね。
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