不妊治療を進めていく過程の中で、自己注射をすることになる人も多いと思います。
私も転院した先で4度目の採卵を行うことになったとき、HMG製剤とHCG製剤の自己注射を行いました。指導されたのは腹部への皮下注射です。
自己注射を始める前、私は「どんな注射器を使うんだろう?」「針は太いのかな?」「手順は難しいのかな?」など色々なことが気になっていました。
同じように気になる方の参考になればと、自己注射で使用した一式や教わったコツなどをご紹介します。
目次
不妊治療でhmg製剤を自己注射するための手順とやり方
私が今回指導していただいた方法はペンシルタイプではなく、注射器を使って打つタイプです。
注射薬剤の入っている容器がガラス製、蓋がゴム製のものを「バイアル」といい、今回はこのバイアルを使う場合の説明になります。
自己注射を打つ時に使用するもの
①2.5ml注射器(針付)
注射薬剤を溶解液に溶かして、薬液を作るときに使います。
②注射針(27G)
実際に自己注射をするときに、針を①に付け替えます。
③アルコール綿(消毒綿)
私はアルコール被れを起こすので、アルコールが使われていないものを使っています。
④溶解液(生理食塩水)
私は2ml入りのものを渡されましたが、1ml入りのものもあります。
⑤HMG製剤(注射薬)
冒頭に書いた「バイアル」に入っています。中身は粉末でした。
⑥アンプルカッター
④の溶解液(アンプル)のフタを折るときに使います。プラスチック製。
①~⑤は1度で使い切りになりますが、処分方法についても決まりがありました。
注射器・バイアル → ビニール袋にまとめて病院へ
注射針・アンプル → ペットボトル等のプラスチック容器にまとめて病院へ
注射器と注射針の包装、消毒綿 → 自宅で処分
⑥は毎回使ったのち、最後は捨てずに病院へ返却しました。
自己注射を打つときの手順
自己注射を打ち終わるまでの手順ややり方を大まかにご紹介します。詳しい注意もありますが、書くとキリがないので今回は省略します。
詳しい手順の説明や、実践練習は病院でしっかり行ってくれるはずなので、病院の指示に従ってくださいね。
注射の薬液を作る
まずは、自己注射をするための薬液を作る過程になります。私は、注射の行為そのものより、この過程の方が複雑で心配になりました。
①注射器を袋から取り出す
②溶解液(生理食塩水)のアンプルに、アンプルカッターをはめて、上半分を折る
③注射器の針のキャップを外し、利き手に注射器、反対の手に溶解液を持つ
④注射器の針先を溶解液に入れて、だいたい1ml吸い上げる
⑤HMG製剤(バイアル)のプラスチックの蓋を外す
⑥バイアルのゴム栓の中央に針を刺し、溶解液を注入する
※混ぜなくてもすぐに溶けました。
⑦注射器を刺したまま、バイアルを逆さまに持ち、溶けた薬液を吸い上げる
⑧注射器の針にキャップをして、注射器本体から外し、27Gの針に付け替える
※右が最初から注射器にセットされている針で、左が注射用に付け替えた針です。太さが細くなり、長さも半分くらいに短くなります。
注射を打つ
①消毒綿で、注射を打つ場所(広めに)を消毒する
②注射器の針のキャップを外し、利き手に持つ
③利き手と反対の手で、消毒した注射部位をしっかりつまむ
④注射部位に対して斜めの角度で、注射針を根元までゆっくり刺す
⑤ピストンを少し引き、血液が逆流してこないかチェックする
※逆流してくる場合は、皮下注射ではなく血管注射になってしまうので刺し直すことになる
⑥ゆっくりとピストンを押して、薬液を最後まで注入する
⑦注射針を抜き、注射部位を消毒綿で拭く
針を刺すときや抜くときにちょっと傷つけてしまうと出血してしまいますが、針が細いので放っておいてもすぐに止まりました。
不妊治療で自己注射するときの痛くないコツは?
私が注射指導の看護師さんから教えてもらった方法は、この3つです。
*注射器の針の穴が、自分(真上)から見えるようにする
*注射部位はしっかりお肉をつまんでおく
*注入するときは急がず、ゆっくり少しずつ押し進める
刺す場所によるのか、角度によるのか、全然痛くないときもあれば、ちょっと痛いなと思うときもありました。
しかし、「痛くてどうしようもない!」というレベルではないので、息を吐くようにして、ゆっくり注入すれば大丈夫です。
HMG薬剤は常温保存、HCG薬剤は冷蔵庫で保存するように言われましたが、冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態だと痛みが強く感じるそうです。
そのため、HCG製剤は打つ30分前くらいに冷蔵庫から出して準備をしたり、少し手で温めるといいとのアドバイスもありました。
不妊治療で自己注射する途中で失敗してしまったときは?
私の病院では、注射器や注射針、生理食塩水などは余分に1セット持たせてくれました。注射薬剤は高価なので、使用する日数分のみです。そのため、一度失敗しても、手順によっては簡単にやり直すことができます。
慣れるまで最初のうちは、病院がやっている時間に自己注射を行うよう指示がありました。途中でわからなくなった時や、失敗してしまった時に電話で相談をするためです。
注射器や注射針は完全に滅菌された状態ですが、封を開けてからは取扱いに注意する必要があります。針にキャップをせずに机に置いたり、手から滑り落としてしまうと、その注射器は使えなくなるので、予備を使って一からやり直すことになります。
私は自宅から病院まで車で半日以上かかる距離なので「失敗したらどうしよう…」と思いましたが、一つ一つの手順を確認しながら落ち着いてやっていけば、大きな失敗をする可能性は低いです。
自己注射指導の時には「この手順の時に注射器を落としちゃったら?」など、失敗した時の対応についても確認しておくと安心ですね。
まとめ
実際の自己注射指導の際には、手順の書いた紙などを基に、一つ一つの作業をしっかり教えてもらうことができるはずです。
看護師にとっては当たり前でも、私たちにとっては書いておかないと覚えられない注意点もありますので、筆記用具持参で説明を受けることをお勧めします。
薬剤は高価ですし、慣れないことで色々な不安はあると思いますが、「案ずるより『打つ』がやすし」だと思いました。わからない部分は何度も教えてもらい、落ち着いて取り組めばきっと大丈夫です。
皮下注射を打つ場所がなぜお腹なのかとその痛みについては、「不妊治療の自己注射がお腹の理由は?筋肉注射と痛み比較した感想」にまとめましたので、ぜひお読みください。
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